翻訳に不備がある場合は,コメントにてお知らせしていただければ幸いです。
20ヶ月に及ぶ開発の末,Wine の新しい安定版,バージョン 1.4 がリリースされました。
新しい DIB グラフィックスエンジンを搭載し,GStreamer を使用できるオーディオスタックは書き直され,双方向テキスト,日本語の縦書きフォントは完全にサポートされ,ARM のサポートなどの機能がもたらされました。
さらに,Microsoft Office 2010 など,多くのアプリケーションを新たにサポートしました。
Wine 1.4 リリースハイライト
- Device Independent Bitmaps (DIB) にレンダリングするための新しいグラフィックスエンジン
フォールバック DIB は,ドライバがサポートしていないアルファブレンディングのようないくつかのグラフィックスプリミティブのフォールバックとして使用できます。 - 複数のイメージのコーデックは,TGA,CMYK,JPEG デコードのサポートだけでなく,BMP,TIFF,PNG,ICNS エンコードのサポートも実装されています。
- オーディオスタックは Vista モデルをベースに再設計
- Alsa,OSS,CoreAudio ドライバは,新しいモデルを使用するために書き直されました
- Jack,NAS,AudioIO,CSS3,ESD オーディオサブシステムはサポートされていません
- Joystick アクションマップはサポートされ,コンフィグレーションダイアログを含みます
- 双方向テキストの完全なサポート
- 新しい Vista スタイルのファイルダイアログ
- Wine は現在,オーディオ,ビデオのプレイバックに GStreamer を利用
- 実装されたシステムトレイの通知バルーン
- (Gecko ベースの) Web ブラウザエンジンに組み込まれた ActiveX のサポート
- 動的デバイス管理では,HAL に加えて新しい UDiscks サービスを使用可能
- Wine は今でも ARM 上でコンパイル
Wine 1.4 を Ubuntu にインストール
Ubuntu Oneiric,Natty,Maverick,Lucid ユーザ:
Wine 1.4 はまだ Wine PPA からまだ入手できませんが,すぐに入手できるようになるでしょう。
このリポジトリに上がるのに待てない場合は,以下のコマンドを使用して Wine 1.4 RC6 をインストールできます (この PPA で,最終的な Wine 1.4 が利用できるようになったらアップデートを受け取れるでしょう)。
Linux Terminal:~$
sudo add-apt-repository ppa:ubuntu-wine/ppa
sudo apt-get update
sudo apt-get install wine1.3
このパッケージの名称は "wine-1.3" ですが,これは Wine 1.4 のデベロップメントビルドだからです。
Wine 1.4 は Ubuntu 12.04 Precise Pangolin リポジトリで利用可能になります (現在 Precise は Wine 1.4 RC6) ので,Precise を使うのであればわざわざ PPA を追加する理由はないでしょう。
"wine" パッケージをインストールすると,最新の Wine 1.4 (RC6) がインストールされるはずです。